カナダ渡航とそれに伴う短歌
カナダ校外学習の隙間時間に詠んだ短歌です。そこまでカナダ関係ありません。
- 飛行機が離陸し腕を握られて自分が女と忘れかけている
- この国も車の音は変わらない安心したから今だけ寝れる
- 深夜四時 それでも車は流れてて私は辞書で性愛を引く
- 4時半になって眠気は消えていくもともと眠くはなかったけれど
- 物寂しいときのほうがうまくなる短歌を捨ててしまいたくなる
- 君といないときのほうが君のこと好きな自分がいるのを知ってる
- 遠くから鳴り響いてくるパトカーの音が違くて泣いてしまった
- どうしても君にあいたいときがあるもちろんあいたくないときもある
- そういえばそういうことが許される国であったか銃弾を蹴る
- 物は言わないと伝わらない国で知った好きは物ではないこと
- 私には家族は他人なんだから他人は全員家族なんだよ
短歌置き場
- それはいつから愛になったのだろうボトルの中で沈下せり梅
- 染み込んだ涙の処理をまだ知らず我は盆に一人帰れず
- 背後にはメトロノームのごとき君祝辞を告げし春は過ぎゆく
- 一段目、二段、三段、四段目、ミミズの死骸で六と七段、
- 猫舌の君が握りし缶コーヒー「手の皮だけはあつかったのよ」
- 差し出すは取っ手のかけたマグカップ君の温度が指に伝わる
- 偶然は我が作った一瞬で嘘をつかない日々に別れを*1
- 「15分待ってて」準備は9分でもう済んでるの待たせてるだけ
- 「赤よでろ」マーブルチョコに願かけて今日の運勢ちょっぴり苦い
- 窓枠の四角い舞台の中で君少しはこちらを見てはくれぬか
- 通り雨 持っていたこと後悔しあなたと二人折傘並べ
- 今すぐに君に会いたい時があるもちろん会いたくないときもある
明日読める短歌の本
私の友人間では短歌をやっている人が珍しいようで興味を持ってくれる人が多く、オススメの歌集を聞かれることも最近では珍しくない。しかしその都度口頭で伝えていると本当に薦めたかった本を抜かしたりして効率が悪い(気がする)そこで本稿では私が独断で選んで読んだ本を貼ろう思う。書店。amazon。または勿論図書館などを利用し読んでみてほしい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
雑誌『ダ・ヴィンチ』に掲載された穂村弘による『短歌ください』の連載を一冊にまとめたものだ。毎月、指定された題詠に読者が短歌を詠み投稿をしそれを穂村弘が選考、講評をするスタイルをとっている。一般の主婦、学生、サラリーマンから著名人など
様々な視点からの短歌を読むことができる。
これまた複数の作家の短歌が集められた一冊
学生の恋からディープなものまで様々である。好きな歌人が見つかるかもしれない。
「父はいない生きているけど父はいないうそなんだけど父はいない」から始まる一冊
心に言葉がグサグサと刺さっていくのを感じられるあみちゃんの一冊
ともだちは実はひとりだけなんです (Billiken books)
- 作者: 平岡あみ,宇野亜喜良
- 出版社/メーカー: ビリケン出版
- 発売日: 2011/10
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
物語の進行に伴い添えられていく丁寧な短歌
とても読みやすいので初心者にもオススメができる。表紙からもわかるように女子高生の日常的な話であるがその心理は大人よりも深いものがある。
短歌というと古い、どちらかといえば和歌に近い感覚を持っている人も多いがそんなイメージを払拭してくれる(かも?)な一冊
現代短歌における1970年代から1990年代生まれの著名な歌人たち40人で送るアンソロジー
「ハロー 夜。ハロー 静かな霜柱。ハロー カップヌードルの海老たち」
ラインマーカーズ―The Best of Homura Hiroshi
- 作者: 穂村弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/05
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 64回
- この商品を含むブログ (78件) を見る
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――